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| ここが知る人ぞ知る漢方蒸しぶろ「長生荘」。中は広々とした敷地 |
奥町に、知る人ぞ知る漢方薬の蒸しぶろがあると聞いて、出かけてみた。入口の小さな看板には「湯治の里 漢方蒸し風呂 長生荘」と書かれており、入っていくと、ロータリーの広い駐車場と緑の木々に囲まれた庭が美しい。今どきのスーパー銭湯とは一線を画す、レトロな風情に興味をそそられる。オーナーの足立文子さんに話を聞いた。
「長生荘はもともと義母が切り盛りしていました。家業はそれまで機やだったのですが、蒸しぶろが大変健康にいいということで、人さまの役に立ちたいと始めたんですよ」と語る足立さんは、創業者であるお姑さんの意志を受け継ぎ、この春から「ふろ屋のおかみさん」として本格的に仕事をしている。
「昔はね、名古屋場所に来ているお相撲さんやプロボクサーの方たちも通っていらっしゃったようです」ということだが、常連のお客さんが徐々に高齢化した現在は、「正直言って、全盛期のような活気はない」そうだ。しかし一方で熱心なファンもいて、口コミで、遠いところからわざわざ電車を乗り継いでくる人も少なくない。
そんな中、足立さんは若いお客さんにも立ち寄ってもらおうと、エステティックの学校にも通い、秋からはエステサービスも始める予定ということだ。
取材に伺った日は、常連客の女性、高橋あい子さんと南谷幸子さんも待機してくれており、蒸しぶろの良さを語ってくれた。
「とにかくまず体験してみてください」ということで、軽くシャワーを浴び、浴場の一角にある小さな蒸しぶろの中に入る。いわゆるサウナ部屋なのだが、一般のサウナより湿気があり、温度も低めなので、肌にやさしい感じだ。部屋中に薬草のいい香りが充満しており、リラクゼーション効果もありそうだ。
香りのもとは、12種類の漢方薬。ケイヒ、センキュウ、チョウジ、ジャーマンカモミールなどの生薬を調合し、ボイラー室から蒸気とともにサウナ室に送り込んでいる。
一緒に入ってくれた高橋さんによると「蒸しぶろに入った後は、本当にお肌がすべすべになるのを実感します」と絶賛。
南谷さんも「ハウスダストで鼻の調子が良くない11歳の息子も、ここでおふろに入った後はとても楽になると言います。ティッシュの減り具合が全然違うので、本当にすっきりしているんだということがわかりますね」と蒸しぶろの効果を肌で感じているようだ。
何度も出たり入ったりしているうちに、毛穴が全開し、汗がいっぱい吹き出してきた。体中の老廃物が出ていってくれたような気がして気分そう快。
「二日酔いのお客さまも、このおふろに入るとスカッとして、体からお酒が抜けるとおっしゃっていました(笑)」
一旦、ふろから上がり、バスタオルを体に巻いて、しばし休憩。その間、飲み放題の漢方茶をいただきながら、待合室でおしゃべりを楽しむ。心なしか、顔や腕のあたりの肌がすべすべになったような気がする。
「ここで涼んで、またおふろに入って、半日くらい過ごしていかれるお客さまもいらっしゃいます。水分を補給して、リラックスして、おふろは何度でもお好きなだけ入ってくださいね」と足立さん。
美容と健康に役立つおふろとして人気の蒸しぶろには、昔ながらの井戸端会議的な楽しさもある。鍵つきのげた箱や革張りの黒いソファ、小さな番台など、古い設備や道具も、独特の雰囲気をかもしだし、ゆったりとした時間が流れている。
入浴料は1,500円(子ども500円)。ストレス解消のためにも、身も心もリラックスして、裸のつきあいを楽しんでみてはいかがだろう。