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味のある店2007年7月号・62号 - 人を訪ねる
郷含笑長屋・落語を聴く会「事務連絡係」
砂山岳洋 さん
最近はネット販売に力を入れ、「アマゾン」や「スーパー源氏」などの本のサイトに登録している。と喜田さん
含笑寺門前の砂山さん。寺名の碑は、なんと寄席文字で書かれている
一宮市千秋町在住
TEL.0586-76-6072

「継続は力なり」で
40年続けてきましたが
落語は、ほんとーに奥が深い…

 ちょっと前に中日新聞に掲載されたのでご存じの方もいるかもしれない。名古屋市東区の含笑寺で延々40年にわたって続いている「含笑長屋・落語を聴く会」。そのスタートから現在まで、一貫して運営に携わってきたのが千秋町の砂山岳洋さんである。

東西の噺(はなし)家が「含笑寺詣で」

 「この会が始まる2〜3年ほど前ですから、もう40年以上も前ですよ。私の通っていた大学で落語研究会(以下、落研)を立ち上げようということになって、それで高校時代の恩師でもあった関山和夫先生(仏教大学名誉教授・「含笑長屋・落語を聴く会」主宰)に相談に行った。いろいろとご指導をいただいているうちに、新たに含笑長屋の会を始めるという話を聞いて、それ以来、まあずっとかかわりが続いているんですよ」
 会の始まりのころは落研の学生が前座に上がることもあり、砂山さんもまた、そうした経験を積んだ一人だ。
 「勤勉亭親不孝(きんべんていおやふこう)って芸名だったんですがね、まあ若いせいもあって、いろいろやってみたかったんですね」
 大学を出て、教職の道に進んだ砂山さん。教師としての仕事をしながら、一方では会の運営に奔走することになる。
 「毎月1回。当日のあれこれはもちろんのこと、そこにいたるまでの準備もあるし、打ち合わせもしなけりゃならない。私の場合は、比較的時間のやりくりができたので、なんとか続けられたんじゃないのかな」
 参考資料としていただいた小冊子をひもといてみよう。含笑長屋・落語を聴く会の35周年記念『ながやのあゆみ』だ。第1回は、昭和42年の3月11日。柳家小きん(柳家つば女)独演会とある。
 「噺家のみなさんには、会の趣旨に賛同していただいて、東西のさまざまな方々に出ていただきました」
 三遊亭円生、林家正蔵(彦六)、春風亭柳橋、古今亭志ん朝、笑福亭松鶴、桂春団治、桂文枝、桂枝雀など、そうそうたる顔ぶれが並ぶが、会としてはあくまでも「正統落語の真価を文化的に把握しようとする研究会」であり、「正統話芸としての落語の継承発展を最大の目的とする」とのこと。

正統話芸の継承と発展。決して興行じゃない

含笑長屋
第394回落語を聴く会
柳家小満んの会
●時…6月29日(金)
   午後6時20分より
●所…名古屋市東区東桜2
   含笑寺本堂

 「私たちの会は興行、つまりは金もうけじゃないんですね。主催者も会員も噺家さんも、だれも利益を得ようとは思っていない。あくまでも話芸を楽しみたい。と同時に伝統的な話芸を残していきたい。そういう考えに基づいているんです」
 笑える落語というよりは、伝統に裏付けられた話芸としての落語、それを同好の士たちと分かち合いたい。そんな趣旨に沿って、会は40年の長きにわたって、含笑寺で行われてきた。
 「含笑寺を借りるようになったのは、会の立ち上げのときにCBC(中部日本放送)に勤務する仲間がいて、『近所にいい名前のお寺がある』ということで、話を持っていったら快く引き受けてくださって、それが今日まで続いているんです」
 声高に笑うのではなく、含んだ笑い。織田信長の祖母の菩提のために建立された含笑寺の名は、まさに同会にぴったり。会のおきてには「会場は絶対に含笑寺を離れないこと」との一文もある。会の開催は、毎月1回で年に11回、年会費は13,000円。
 砂山さんによれば、現在は満員で、入会は順番待ち。「ただし、開催当日に年会員の受付を行っていますから、ぜひ問い合わせてみてください」とのことだ。最後になったが、砂山さんに落語の魅力は?と質問。「落語には噺家さんの人柄がくっきりと出る。人生観というのかなあ、奥深いものなんですよ」。
 定年退職のあと、「念願の晴耕雨読を1年やったんですけど、もう1年で十分。今は社会福祉関係の仕事をしながら、“事務連絡係”として会の運営に全力を注いでいます」と笑う砂山さんであった。

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