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| 円光寺住職 大東 仁さん |
真宗大谷派名古屋別院(東別院)で毎年、この時期に開催されている「平和展」。「戦争と仏教界とのかかわり」を中心テーマに戦争資料を展示するもので、今年で18回目を迎える。全国でも珍しいこの取り組みに中心メンバーとして参加している一宮市・円光寺の住職、大東 仁(42歳)さんに、その目的について話を聞いた。
平和展は、1990年の名古屋別院創建300年記念行事の一環として開催されたのが始まり。先の戦争で名古屋別院が焼失していることもあり、これを機会に「仏教界と戦争とのかかわり」について考えるのが目的だったが、好評だったことから、以後、毎年お彼岸の時期に開催するようになったという。
「平和展にかかわった動機は、かつての戦争に対し、不殺生を掲げる仏教界がどう対応したのかという疑問から」と話す大東さん。「戦争協力というとまず神社が挙げられ、私たちも『靖国問題』などを批判してきたのですが、その一方で『自分たち仏教界はどうだったのか? 一方的に批判するだけではだめではないのか?』と考えたんです」
調べてみると、大谷派も含め仏教界も戦争に協力していた。「日中戦争に従軍する僧侶」「軍人を招いての時局講演会の開催」「戦争への協力を呼びかける内容の教団機関誌」「上海など占領地に建てられた寺院」などなど……。その一方で戦争に反対した僧侶もいた。
「仏教は『不殺生』といわれますが、戦前は『一殺多生(いっさつたしょう)』といって、目的が正しければ人を殺してもいいと戦争を肯定していったんですね。こうした過去の反省にもとづき、仏教界と戦争とのかかわりを総点検するのが平和展の目的なんです」
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平和展では毎回、テーマを決めているが、翌年のテーマを決めるのは、平和展終了後の5月ごろ。テーマが決まると、それに沿った戦争資料がないか、大谷派の寺や門徒に呼びかけるのだという。
「自分たちも勉強しなくてはなりませんし、他の教団ではやっていないので前例がありません。ですから準備はほぼ1年がかりです」
平和展には毎回1,500人ほどが来場する。最近では大谷派だけでなく、キリスト教などの他宗派や市民団体の関係者なども多く訪れるという。展示資料には貴重なものも多く、「貸してほしい」という申し出もあるため、無料で資料を貸し出すことも行っている。
今年の平和展のテーマは「ねらわれる子どもたち」。戦意高揚をあおるマンガ本やすごろく、メンコなどのおもちゃを中心に展示し、子どもたちが戦争に動員されていった歴史的経緯を振り返るという。
「おもちゃなどは当時、大谷派のお寺で開かれていた子供会などで使われていたもの。子どもが戦争に動員されていく際の、仏教界の果たした役割が明らかにできればと考えています。子どもにも分かりやすいよう展示を工夫していますので、親子連れでぜひ足を運んでいただきたいですね」
「大学時代には日本近代史を勉強していましたから、もともと戦争は大きな関心事だったんです」という大東さん。柔和な表情とは裏腹に、言葉の端々に戦争に対する強い憤りが感じられる。