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味のある店2006年11月号・54号 - 人を訪ねる
NPO法人「スポーツフォーラム愛知」
モノリスフットボールクラブ コーチ
鈴木理記(すずきまさき) さん
鈴木理記さん
鈴木理記さん
愛知県江南市村久野町平河65番地
TEL:0587-53-2140

子どもたち
一人ひとりに合わせた
サッカー指導

 子どものころからサッカーが大好き。高校卒業まで、「朝から晩までサッカー、サッカー」で過ごしたサッカー少年は、やがて社会人へと成長。サッカーへの夢を捨てきれなかった鈴木さんが選んだのは、子どもたちを育てるという新しい道だった。

小・中・高と、サッカー漬けの少年時代

 鈴木さんが所属するのは江南市にあるNPO法人「スポーツフォーラム愛知(以後、SFAと表記)」。ここでは江南市・一宮市地域の子どもたちを対象に、サッカー、野球、柔道など、スポーツを通じて子どもたちの教育に取り組んでいる。
 「今年で3年になります。きっかけは学生時代の先輩の友人が、このSFAでコーチをしてみえて、『こういう場所もあるよ』って教えていただいたことからでした」
 小学生からはじまって25歳の現在にいたるまで、「ずっとサッカー漬け」の生活を送ってきたという鈴木さん。中学、高校と夢中でサッカーを続けていたが、高校卒業を迎えて、さあ、これからどうする? という岐路に立った。
 「ほんとうは海外にサッカー留学をしたかったんです。でも高校を出たばかりだし、正直、不安もありました。お金もかかることですから、両親をはじめまわりの人たちとも、いろいろと相談しました」
 結局、就職の道を選ぶことになるのだが、鈴木さんが当時を振り返って思うのは、「そのときはまだ本気じゃなかった。自分が本気で行きたいと思えば夢はかなったかもしれませんが、そこまで決断する勇気がなかった。両親は、そんな自分を客観的に見ていたんだと思いますね」

2年間、サラリーマンをして考えたこと

 サッカー留学を軸に考えていたので、就職活動はまったくしなかったという鈴木さん。知人の紹介で不動産管理関係の会社に入ったものの、「やっぱり違うな」という思いは抑えきれなかった。もちろんチームに入ってサッカーは続けていたが、それでもかつての“サッカー漬け”の生活とはほど遠い。
 「約2年間サラリーマンをしてみたんですが、どうしても自分には合っていないような気がして。それで先輩から聞いていた、ここを訪ねてみたのです」
 SFAには鈴木さんと同年代のサッカーコーチが10名いる。生徒の数は210名にもおよぶ。選手としてではなく、子どもたちのコーチとして働くことに次第に心が動いていった。
 「始めのころは戸惑いや苦労もありました。こちらの気持ちがうまく伝わらないとか、子どもたちの親への対応もまったく初めての経験でしたから…」
 それでも根っからの人好き。しかもサッカーへの熱い思いは誰にも負けない自信があった。

子どもや親とのコミュニケーションの大切さ

 鈴木さんがコーチの仕事を通じて学んだのはコミュニケーションの大切さだった。
 「子どもたちはもちろんその親に対しても、やはり自分の考えを話すと同時に、相手の考え方や意見を聞くことが大切です。そうして互いにコミュニケーションが取れていれば、あとは技術の向上やサッカーに対する理解も急速に進んでいきますから」
 さらに現在の子どもたちを見ていて思うのは、自分たちの子ども時代との相違だ。わずか10年、あるいは10数年の間に、子どもたちとサッカーをめぐる環境は激的に変化した。たとえば鈴木さんらの時代には、サッカー専門のコーチがいなかった。学校の先生がコーチをするケースが圧倒的で、クラブチームも数えるほど。そんな中で“遊び”から始まったサッカーだったのが、今ではスポーツの一種目としてサッカーがとらえられていると言う。
 「僕たちの時代にくらべてみても、子どもたちの運動能力の低下は指摘されています。やはり運動能力を高めるためにも、またスポーツを通して味わえる感動という点でも、ぜひサッカーを見直してもらいたい。確かに個人差や取り組み方の違いはありますが、このクラブでは、その子その子に合わせた指導を行っています。チームとしての取り組み、個人を伸ばす取り組み、それらをバランス良くコーチすることで、子どもたちの可能性が広がっていったらと思っています」
 子どもたちから、親から、「モノリスに入って良かった」と言われることが、今の鈴木さんのエネルギー源。コーチのスキルをさらに磨いて、上級ライセンスを取得することも目標のひとつだと言う。

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