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味のある店2006年7月号・50号 - 人を訪ねる
手話サークル「秋桜(コスモス)」
村上実さん・喜美子さん
村上実さん・喜美子さん
村上実さん・喜美子さん
お問い合わせ先
愛知県一宮市社会福祉協議会内
手話サークル「秋桜」
TEL:0586-24-2940
ホームページ:
http://www006.upp.so-net.ne.jp/
kosumosu/

友達になって積極的に“会話する”こと
それが手話上達のコツですよ

 3歳の時、「中耳炎をこじらせて聞こえなくなった」という実さん。21歳の時、肺結核をわずらい、その治療に用いた抗生剤の副作用で「次第に聞こえなくなっていった」という喜美子さん。お二人で、聴覚障害者の方々をサポートしながら健聴者の方々と一緒になって、手話サークルを開いていらっしゃると聞いたので、お話をうかがってきた。なお取材にあたっては、本紙37号の「人を訪ねる」で紹介した手話通訳士、杉野実奈さんにご協力いただいた。

明るく楽しくがモットー

 手話サークル「秋桜」は平成5年にスタート。現在、市内の主婦らを中心に約70名のメンバーが活動しているが、その設立の経緯を喜美子さんが話してくれた。
 「私たちのように聞こえない人たちが、いまの社会の中で生きていこうとすると、とっても大変なんです。たとえば体の具合が悪くて病院で診てもらおうと思っても、お医者さんや看護師さんに自分の症状がうまく伝わらない。でも、そこに一人でも手話のわかる方がいらっしゃったら、こんなに心強いことはありません。病院はもちろん、地域の中でも手話通訳のできる人を、一人でも多く増やしたい、そんな思いもあってこのサークルを始めたんです」
 手話サークル「秋桜」には、いくつかの特色がある。
健聴者と聴覚障害者はつねに対等の立場で、教えたり教えられたりすること。また、たんに手話を学ぶのではなく、一緒に料理教室やクリスマス会などを開いたり、社会見学などにも出かけたりする。つまり、普段のリラックスした雰囲気の中で、肩ひじはることなく手話通訳の習得を目指そうというものだ。
 「手話の表現には一人ひとり違いがありますし、個性もあります。冗談が好きな人もいますし、結構まじめ一筋という方もみえますしね。そんな素顔を出しあって、みんなで明るく楽しい集まりにしていきたいんですよ」

みんなの理解が、深まっていくことがうれしい

 耳が聞こえないことを、聞こえる人たちにどう理解してもらうか。それは手話通訳の普及に努める村上さんたちにとっても永遠の課題である。とくに声や音に関しては、目で見ることも、手でつかむこともできないカタチのない障害のため、なかなか理解してもらうのがむつかしい。
 「でも、私たちの子どものころにくらべたら随分変わってきましたね」と、語ってくれた実さん。3歳で聴力を失い、聴覚障害者の学校へ通った。そこで声を出すトレーニングなども受けたが、どうしても声の出ない児童もいた。なんとか声を出せるようにと先生がビンタを張ったら、びっくりして泣き出して、それで声が出るようになったなんてこともあったと言う。
 「何年か前にテレビドラマで手話がブームになったことがあったでしょう。あんなのは、昔では考えられなかったねえ。やっぱり、たとえ少しずつでも聴覚障害や手話通訳への理解が深まっていけば、こんなうれしいことはないね」

夫婦のきずなで、無口からおしゃべりに

 幼少時に聴力を失った実さんに対して、喜美子さんは成人後から次第に聴力を失っていった。稼業である洋服の仕立て屋さんを夫婦で切り盛りしてきたが、それでも少しずつ聞こえなくなっていくことに不安を覚え、次第にふさぎがちになっていった喜美子さん。
 「そんな時に、この人が『生まれた時からまったく聞こえない人が、しっかり育児をしているケースだってあるよ。それを思ったら、あんたは話もできるじゃないか。しずんでないで元気を出して、話せる幸せを支えにがんばりなさい』って言いましてね。それからなんです。私がこんなにおしゃべりになったのは(笑)」
 最後になったがお二人に手話上達のコツをうかがった。
 「聞こえない人と友達になって、積極的に話すことがいちばんのコツ。手話の単語を覚えることも大事ですが、それより実際に会話することがもっと大事です。英語なんかの勉強と、同じことだと思いますよ(笑)」
 なお、村上さんご夫婦は、この手話サークル「秋桜」以外にも、10年ほど前から一宮市民病院で、職員、看護師さんらに教えるほか、今伊勢団地内の手話サークルでも教えている。またこの夏休みには社会福祉協議会主催の「中学生手話教室」でも手話指導の予定だ。
 「どこででも、いつからでもいいですよ(ご夫婦談)」。手話に興味がある人は、ぜひお問い合わせくださいとのことだ。

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