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| 30周年イベントのくす玉作りに取り組む実行委員のメンバー。右から仲島直子さん、浅井ますみさん、阪野由利子さん、柴田洋子さん、戸松ひろ子さん、堀部美奈子さん |
「おやこ劇場」という活動をご存じの方も多いだろう。生の舞台を観ることで、大人も子どもも感性を育てつつ、仲間づくりをしていこうという主旨のもとに1966年に始まった活動で、今では全国に広がっている。「一宮おやこ劇場」も今年で30周年を迎える。
記念イベントの準備に忙しい中、実行委員会のみなさんを訪ねた。
「『おやこ劇場』は、福岡で始まった活動。ちょうどテレビが家庭に普及したころ、テレビという受け身の媒体が果たして子どもの育ちにいいのかという疑問を持った親や教師たちが、発足させたんですね」と「おやこ劇場」の歴史を語ってくれるのは「一宮おやこ劇場協議会」運営委員長の仲島直子さんだ。
「おやこ劇場」は、母親たちの支持を得て全国に広がった。ここ一宮でも30年前に「いちのみやおやこ劇場」が立ち上がり、現在会員は約600名。「みなみ」「きた」「なか」の3ブロックから成り立っており、例会(鑑賞)活動と自主活動を中心に活発な活動を続けている。
「簡単に言えば、演劇や人形劇団を呼んで親子で観劇を楽しむのが例会活動ですが、ただ観るだけではなく、それまでにさまざまな準備をするわけです。それらも全部ひっくるめての活動なんですね」
例えばどんなお芝居を観たいかを話し合いで決める。時には劇団に出かけていき、直接交渉もする。事前に劇の内容について学習会を設ける。また舞台あいさつやチケット切り、劇団員へのプレゼント作りなど、一つの舞台が終わるまでにはたくさんの活動がある。終わった後の合評会では、それぞれの感想を発表し合う。
「異年齢の子どもたちが、力を合わせて一つの目標に向かうので、助け合うことや譲り合うことも学んでいきます。同じものを観ても、人によって受け取り方や感じ方が違うんだということも理解していきますね」
五感をフルに働かせている子どもたちは、体験することで、感性を高めていく。
「舞台が終わった後で、劇に使われた人形などに実際に触れさせてもらったりすると、目の輝きが違ってくるんですよ」
例会は3カ月に1本のペース。つまり年間4本を鑑賞するというわけだ。また自主活動では、キャンプや祭りなどを開催し、親子で手作りのイベントを成功させていく。
「子どもが活動を通じて成長していくと同時に、親もそれぞれの考え方や子育てのやり方を話し合いながら、成長していけることも『おやこ劇場』の大きな特徴だと思います」
核家族化が進み、近所付き合いも希薄な現代において「子育ての不安や悩み」を共有できる場は少ない。母親たちの学びの場、安心の場としても「おやこ劇場」は大きな役割を担っているようだ。
仲島さん自身もかつては、子育てに不安を抱く新米お母さんだったが、活動を通じて仲間になった先輩お母さんたちから、子育てに関する情報を教えてもらったり、「大丈夫よ」と勇気づけてもらったりした経験があるそうだ。
「いろいろな人が集まるので、『こんな見方や考え方もあるのか』と気づいていけるんですね。また大勢の子どもたちと接することで、視野も広がります。自分の子だけを見るのではなく、みんなで見守っていこうという気持ちも自然に芽生えてきます」
「おやこ劇場に入りたい」と思う人は、入会金300円と会費2カ月分の2,400円、合計一人2,700円を申込書に添えて事務所に届けるだけ。後は毎月一1,200円の会費を払っていけばいい(3歳以下の子どもは会費不要)。
「まずは、30周年記念イベントに来ていただいて、どんな雰囲気で活動しているのか、見ていただくのもいいかもしれませんね」と実行委員会のメンバーは、記念行事を成功させるべく、準備に向けて大忙しだ。
「当日は、お祭りの屋台をイメージして、子どもたちが提案したいろいろなお店を開きます。またプロの劇団によるパフォーマンスも予定していますので、ご家族でぜひお出かけください」
30周年を機に「一宮おやこ劇場」の活動はますます充実していきそうだ。