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| 「絵本づくりは、私たちのライフワーク」と後藤さん夫妻。写真中央が和歩君 |
“災い転じて福となす”なんて、あんまりいい例えではないかもしれないが、妊娠中のあいこさんの“つわり”解消にと、夫婦で始めた絵本作り。コンクールに出品した作品が新風舎刊『成長絵日記 できたよ』となって、このほど書店にも並ぶようになった。作者のごとうえいじさん、あいこさんご夫婦を訪ねた。
結婚前は保育士として働き、その後は本屋さんに勤務していたというあいこさん。妊娠後も働くつもりだったが、あまりにもひどいつわりの症状で、仕事を辞めざるを得なくなり、自宅で静養する生活を送っていた。
「でも、家にいても気分はすぐれないし、それで昔から好きだった絵をかきはじめたんです。そしたら不思議なことに、絵をかいている間だけはつわりの症状が治まっているんです」
絵をかくだけでなく、四コマ漫画や紙芝居、飛び出す絵本などにも手を広げたというあいこさん。そのときに頼もしい味方になってくれたのが、つれあいのえいじさんだ。
「妻が絵をかいていたので、ぼくはそれにつけるちょっとした文を書いたり、また絵本ならストーリーを考えたり、どういう順で絵をつなげていくかといった、全体の構成を考える役を引き受けました」
もともと本を読むのが大好きで、東京での学生時代、神田の古書店にはしょっちゅう足を運んでいたというえいじさん。まさに二人の才能や趣味が、ぴったり合ったのが、この絵本作りであった。
そんな風にしてオリジナルの絵本作りを続けていた二人だったが、ある日、中日新聞で絵本コンクールの告知を見つけ、応募してみることになった。
「『うそついたらはりせんぼん』というタイトルだったんですが、これが佳作になって、そのころからつわりも治まって、がぜん作品づくりが楽しくなってきたんです」とえいじさん。
一方、あいこさんも無事、和歩君を出産。少しずつだが、また絵筆を取るようになったころ、「アピタ木曽川店・専門店街」がマスコット・キャラクターを募集していることを知る。
「二人で話し合って出てきたのが、毛織物が盛んなこの地域にふさわしい羊をイメージしたキャラクターだったんです」
二人で考えたキャラクターが見事に採用され、同時に公募で『ハグリン』と命名されたこのキャラクターは、今も「アピタ木曽川店・専門店街」の広告チラシなど随所で活躍中。
「お店に寄ったら、ぜひ一度見てみてください」と声をそろえる。
その後も、インターネットなどで新しい絵本作品を募集していることを知った二人は、何冊かのオリジナル作品を提出。そのうちの一冊『成長絵日記 できたよ』が、出版社から出版の誘いを受けることになった。
「本にしてくれるというし、それに全国の書店でも取り扱ってもらえるからということで、喜んでお願いしました」とえいじさんが語れば、「和歩の成長の記録として残したいなと考えていただけなので、ほんとうに驚きました」とあいこさん。
『成長絵日記 できたよ』は、もとはといえばお二人の長男である和歩くんの成長の記録だが、この本を購入した人は、わが子が“ねがえり”や“はいはい”をできるようになった日付を書きこむスペースも設けられていて、なかなかにユニーク。
「オーソドックスながら繊細なイラストは、何度見ても魅力的。写真やビデオでは伝えられない、やさしい親心が生み出した会心作でしょう」と、先の公募の審査員からも熱い評価が届いた。
「コンクールに出品するという目的を持って、二人で創作している時間が楽しい」と語るえいじさん。「家庭に入っても、なにかにトライする気持ちを大切にしたい」と語るあいこさん。絵本好きな和歩くんの成長が、ますます楽しみな今日このごろだ。