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味のある店 2005年5月号・36号 - 味のある店
お酒・お米の宅配専門店
「タナカ」
コンクリート打ち放しのモダンな外観が特徴
愛知県木曽川町黒田西町北38-1
Tel 0586-86-2828
●定休日
日曜日

ルート配達の日に合わせてもらえれば
しょう油一本でもOKです

 木曽川町の一画で、「宅配を中心に、がんばっとる酒屋さんがある」という話を聞いたので行ってみた。伺って話を聞くうちにわかってきたのは、酒屋さんを始めとした一般小売業の厳しい現実だ。確かに大手スーパーの出店ラッシュを受けて、小売業は必ずしも安穏と商売を続けていられる状況にはないようだ。

宅配サービスを中心に店舗運営

 「小売業が厳しい…」とはいっても、あくまでも一般的な意味合いで申し上げるだけなので、あえて深く突っ込まないでいただきたいところ。さて、今回伺った「タナカ」さんでも、やはり従来の“酒屋さん”だけではなかなかに厳しく、どうすれば今の商売が続けられるのかを、いろいろな角度から検討。その結果出てきたのが、お酒・お米などの宅配を中心として商売ができないかということだった。
 「初めは問屋さんに紹介していただいたんです。宅配サービスに力を入れている全国チェーンがあるというので、その詳細を検討する中で、今の『ファミリーチェーン』に加盟することにしたんです」と、店主の田中貴巳人さん。
 チェーン本部で編集された商品カタログを、新聞折り込みやポスティングなどによって、毎週消費者のもとに配布。その注文を受け、エリアごとに配達する曜日を決め、直接お客様の所まで届けるというやり方だ。
  「本格的に宅配を始めて、間もなく3年になるんですが、初めのころは品切れなどもあってお客様にご迷惑をかけることもありました。でも、このごろではすっかり慣れてそういうこともなくなり、多くのみなさんに喜んでもらっています」
 もともとは造り酒屋さんで、小売も手がけていたという「タナカ」さん。自社ブランドの清酒『瑞華正宗』は、今も岐阜県安八郡で造り続けていて、こちらは田中酒造の名で販売もしているそうだ。

地域の生活便利店をめざして

 お酒・お米はもちろんのこと、季節の食品やお菓子など、実にバラエティ豊かな商品を取り扱い、しかも宅配もしてくれるという今のスタイル。宅配エリアや客層などのことも聞いてみた。
 「当店の場合は旧木曽川町のほとんどと、あと北方町あたりを商圏にしています。大体、1万世帯というのが目安で、チェーン本部もそのくらいの規模で展開しているようです。お客様の層としては、年配の方だけでなく、小さい子どもさんのいらっしゃるお宅でも、利用されているケースが多いと思います。お酒やお米は結構かさばりますし重いですから、2人、3人とお子さんがいるお母さん方では大変ですからね」
 定期的な配送ルートは、月木・火金・水土の3コース。エリアを絞って配送することで業務の効率化を図り、一方では『たとえ、しょう油1本でも配達します』というスタイルで、地域の生活便利店を目指すという考え方だ。
 「いくらなんでも、しょう油1本はないですよね?」と思わず尋ねると、「ルート配達の日に合わせてもらえれば、ほんとに大丈夫です。行きます」と力強い言葉が返ってきた。

月替わりの限定商品や
日本ソムリエ協会の資格も

 一般の商品カタログが週単位で発行されるのとともに、月単位でキャンペーン商品などを取り扱うケースもある。チェーン本部の企画によるものが多いが、たとえば今のシーズンでは、万博を記念して、きしめん・ういろう・手羽先など愛知のうまいものを集めたり、また全国各地のラーメンも取り扱ったりもする。
 こうした展開の一方で、田中さん自身も日本ソムリエ協会の認定試験を受けワインアドバイザー資格(6656番)を取得するなど、個性ある店作りへの取り組みは怠りない。
 貴巳人さんが配達をになうかたわら、奥様の裕美さんも店番とパソコンを使っての事務処理を手がけるなど、2人の息はぴったり。
「夫婦2人だけでやっているお店ですから、協力し合っていかないとすぐにどうにかなりそうで…(笑い)。でも、やっぱりお客様に喜んでもらえるというのが一番のやりがいですね」と、声をそろえる。

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