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| 「やまと屋」は、名鉄「尾西線」沿い、「奥町」駅より少し東側 |
「ウチなんか、とうちゃん、かあちゃんでやっとる店だで、新聞に載って、お客さんが大勢つめかけちゃったら、困るがね」と言いつつも、なんとか取材をOKしてくれた「やまと屋」のご主人、湯浅勇さん。いったん取材を始めたら、もう、楽しい話がいっぱい。人の気をそらさない朗らかなお人柄と味の良さにひかれて、常連客も多い。。
まずはうどんをいただこうと思い、メニューを眺めていると「せっかくだから、当店自慢の一品を食べてみる?」と湯浅さんから声がかかった。
「それなら」ということで、「合わせかつ重(900円)」と「合わせ天重(1,200円)」を注文。
「合わせかつ重」とは、左右に分かれた二つのお重の、片方にはざるうどん(ざるきしめん、ざるそばでもOK)、もう一方にはかつ丼が盛られている変わり重だ。
「店を始めたのは34年前。店をリニューアルしたのが16年前なんだけどね、その時に考えついた新メニュー。このお重に入っているところが、雰囲気があるって、ウチの人気メニューなんだわ」
めんをかまあげしている間に、かつや天ぷらを揚げ、できたて、揚げたてを出すことをモットーにしている。
そしてもう一つの湯浅さんのこだわりは、つゆにある。
「だから冬でもざるで食べてもらって、つゆの味を楽しんでもらいたいね。あつあつのかつ丼、天丼に、キリッと冷えたざるうどん、ざるそば、これが結構マッチすると思いますよ」
そばつゆ、うどんつゆの基本の「かえし」は、たまり、みりん、さとうで作る。
「使う材料はいたってシンプルだよ。でもその割合が微妙なんだな。ウチも一応、企業秘密と言っておこう(笑)」
その「かえし」に、むろあじを中心としたかつおだしを加え、つゆを作るのだが、湯浅さんは、かつ丼や天丼の味付けにもそのつゆを使う。
「化学調味料は、一切使わないね。だって、あれ使っちゃうと、ほんと、後味がよくないもんねぇ」
試食した「合わせかつ重」も「合わせ天重」も、めんは、つるつるコシがあり、つゆは、まろやかな中にコクがあり、リピーターが多いのもうなづける。
メニューは、かけうどん、きしめん(いずれも400円)、ざるそば・うどん・きしめん(いずれも600円)、みそ煮込み、なべやきうどん(いずれも650円)、たまごとじうどん、カレーうどん(いずれも600円)、エビおろしうどん・そば(いずれも880円)、たまご丼(500円)、かつ丼(並650円、上950円、いずれも赤だし付き)、天丼(並850円、上1,300円)などをはじめ、豊富にそろっている。
34年、変わらない味で店を続けてきた湯浅さんだが、これまで順調にやってこられた秘けつは「運と決断力」だと言う。
「最初は小さな店からスタートしたんだよ。土地を買い足したり、店を大きくできたのも、今思えば、実にいいタイミングだったんだよね。ワシは運がええんだとつくづく思いますねぇ」
そして、その運やツキを自分のところにぐんと引き付けるためには、決断力も大切だという。
「そう、ここ一番というところで『よっしゃ、やったる』と決断せないかんでね。そう考えると、ワシは決断力もあったんだわねぇ」とほとんど漫談のように話す湯浅さん。
お客さんともこのようなやりとりで、常に笑い声が絶えない。
「お客さんは大切にしてるよ。特にお年寄りと子どもさんはね。まぁ、お年寄りを大切にすることは当たり前だわね。そして子どもたちにはね、うどんの良さを知ってもらいたいの。別にウチの店だけ繁盛したいわけじゃなくて、日本の誇るうどんの味を小さいうちに知っておいてもらいたいからね」
うどんの「やまと屋」さんに行くと、おいしいうどんに、湯浅さんの楽しい話がおまけで付いてくる。