![]() |
|
| 「細かい手仕事が好きなんですかねぇ、ビーズアクセサリーの指導もしています」と水野さん |
人間いくつになってもやる気が大事。やる気さえあれば、やったことがないことでもできるようになる。ステンシルを「69歳か70歳ころに始めました」という水野為年さん。今では二つの講座を持ち、保育園なんかにも指導に出かけているそうだ。
ステンシルとは、欧米で昔から親しまれてきた「型染め」のこと。木、布、紙、素焼きの鉢、缶 、ガラスなど、絵の具が付着する素材なら何にでも描くことができる。水野さんが、このステンシルを始めたきっかけから伺った。
「60歳ぐらいのときに労災事故に遭いましてね。何度も手術するような大けがだったものですから、退院後も右手に障害が残って、それで仕事もできなくなる。家にいても日がなやることがない。やけくそになっちゃいましてね」
パチンコでヒマをつぶしたりしていた水野さんに、「写真をやったら」と勧めてくれたのが、当時は存命だった奥さんだ。水野さんが若いころに写真が趣味だったのを知っていた奥さんが、新しいカメラを買ってくれた。
「木曽川町『健やかクラブ』の写真講座に参加していたんです。そしたら、ある日ステンシルというものを紹介されて、それがきっかけでしたね」
ステンシルは作品づくりに必ず型紙を用いる。しかし、既成の型紙の種類は決して多くない。何回かステンシルの講座を受けるうちに、型紙の種類が決定的に足りなくなってきた。
「『これくらいのものなら、私が作るよ』と言って型紙を自作するようになったんです。そしたら職員の方が『ぜひ講座を受け持ってくれないか』とおっしゃって。それからですね、みなさんに教えるようになったのは」
水野さん69歳のことだった。
水野さんのステンシル講座は月3回。いずれも木曽川町で、「西部いこいの家」で2回、「総合体育館」で1回のペースだ。かつては受講生の数が50名以上にふくらんだこともあったが、今では一クラス10数名。約40名ほどの受講生がいるということだ。
「私は現在79歳ですが、上は90歳代の人もいますよ」と言われるとおり、多様な年代の方々が、このステンシルを楽しんでいる。今年の春から秋にかけては約4カ月間にわたって、「東部・中部児童館」で地域の児童を対象にした講座を開講。文化祭での作品展示では、まずまずの評判を収めたということだ。
そんな水野さんの日常は結構忙しい。娘さんとの二人暮しだが、掃除、洗濯から炊事まで、「家のことはほとんど私がやっております。テレビ見とるヒマはないですよ」
そして、残った時間でステンシルの型紙作り。一方では、趣味のカメラも手放さない。プロ用のものをはじめ、手持ちのカメラは10台以上。大正琴、日本舞踊の発表会などで、撮影を頼まれる機会も多いという。
79歳の水野さん、大活躍、元気いっぱいの日々である。