![]() |
|
| 「とん助」さん |
一宮駅の西側。ちょっと路地を入ったところにある、とんかつの店「とん助」は、46年続いているみそかつのしにせだ。みそはみそでも、いわゆる八丁みそとは違う味わいと聞いて、さっそく出かけてみた。
「最初は、ソースとんかつだったんですが、お客さまの要望にこたえる形でみそかつをお出しするようになったみたいですね」と語るのは「とん助」の大久保嘉子さんだ。
嘉子さんのお父さんの静雄さんとお母さんの都世枝さんが始めた店を継ぎ、今も現役の両親とともに、店を切り盛りする。
「静岡出身の父は、ドロッとした濃いみそにあまりなじみがなく、みそかつといってもあっさりとしたものを作りたかったんですね。それでこういうスタイルになりました」
こういうスタイルとは、揚げたとんかつをみそだれの中にくぐらせる方式。衣にまんべんなくみそが染みるので、しっとりとした食感となり、これが同店の大きな特徴となっている。
またみそも、ただ砂糖や酒を加えるだけでなく、野菜をはじめ、さまざまな材料を混ぜて作っているとか。詳しくは企業秘密なので教えていただけなかったが、確かに食べるとあっさりとした中に複雑な香りや味が感じられ、肉とよくマッチしているように感じた。
「肉は、ずっと長くつきあっている業者で間違いのないところから仕入れておりますが、仕入れた肉をさらに柔らかくするために、下処理しています」と説明されて納得。試食したひれかつもひれの塩焼きもとにかく柔らかかった。
「柔らかさと食べやすさを常に心がけていますので、うちのとんかつはお子さんにも人気があるんですよ」
平日の昼間は企業などの接待客、土日の夜は、ファミリーやカップルなどでにぎわうという。
「長年やっていますので、お客さまにとって“変わらない味”が当店の持ち味なんですね。いついらしても、お客さまが期待される“いつもの味”が提供できるように、細かい気配りをしているつもりです」
お客さんにとって変わらない味をキープするためには、実は微妙に調理法などを変えなければいけない。例えば夏と冬では、材料や味付けなど、少し変えているのだそうだ。見えないところでの努力が「いつ行っても安心して食べられる『とん助』の味」を実現している。
メニューの定番は、ひれかつ定食(1,260円)、ロースかつ定食(945円)、上ロースかつ定食、ひれの塩焼き定食(いずれも1,365円)など。また定食にさしみや煮物の小鉢のついたひれかつ膳やロースかつ膳(ともに1,890円)や牛ひれのステーキ膳(3,675円)なども接待目的のお客さんには好評だ。
テーブル席も座敷席も充実しているので、ゆったりとくつろげるところもうれしい。
「このごろは、お持ち帰りのお客さまも大勢いらっしゃいまして、揚げたてを買われる方、パン粉までつけた状態でお求めになる方とさまざまです」
お店の味を手軽に自宅で楽しむ人も増えてきている。ひれかつ弁当(1,050円)やロースかつ弁当(945円)、またごはんを除いたひれかつパック(840円)、ロースかつパック(735円)も人気だ。
柔らかいみそかつ食べたくなったら、「とん助」に行ってみよう。