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| 「『六花房』は、8月上旬オープン予定です。ぜひご来店ください」と米原さん |
米原隆浩さんは現在26歳だが、生け花の専門学校に2年間通い、石田流師範の資格を持つ華道家だ。
「いや、華道家なんておこがましいですが、花を常に身近に感じながら暮らすということの素晴らしさは、みなさんに知っていただきたいですね」
そんな思いから、花のあるコーヒー専門店「六花房」を8月にオープンする予定で、準備に大忙しの米原さんだ。
「高校卒業後、自分が何をしたいのかを見極めたくて、1年間フリーターをして考えました」と語る米原さんは、実は高校時代、学校が嫌になって辞めてしまったという経験を持つ。
「何が原因というわけでもなかったんですが、今思えば、何もかも中途半端な感じで、学校に行く意味を見出せなかったんでしょうね」
その後別の学校に移り、なんとか卒業はしたものの、やはり進路を決めかねていた米原さんは、とにかく何も考えずに働いてみようと、お中元・お歳暮の梱包や引っ越し屋、イベントの設営など、さまざまなアルバイトに挑戦。そこで出会った仲間との会話から、フラワーデザインという仕事を知るようになったという。
「もともとデザインの仕事に興味があったので、花をデザインするなんて、面白そうだと思い、専門学校を調べたんです」
当時名古屋市に、石田流が主宰する専門学校があり、入学。フラワーデザインを2年間みっちり学んだ。
「家元にも直接教えてもらいましたが、思ったより自由に生けさせてくれるんで、びっくりしました。生け花というのは、結局、生ける人の気持ちや姿勢が大切なんだということを教わりました」
専門学校を卒業し、師範の免状も取得したが、花への取り組みをもっとしたいと考えた米原さんは、恩師が教えるフラワーデザイン教室のアシスタントとして、雑用をこなしながら勉強を続けた。
「スタッフなので、生徒として教えてもらえるわけじゃないんですが、先生が花をつくっていく様子はいつも見られます。これは本当に勉強になりましたね。プロの仕事をたくさん見ることはとてもプラスになると思います」
このころから、花の仕事にかかわっていこうという決心が固まってきたという米原さん。コーヒー専門店での修業、造園業の仕事などにトライし、自分の店づくりへの準備を進めてきた。
「8月上旬にオープンの予定です。自分の好きな数字『六』を取り入れて『六花房(りっかぼう)』という名前を付けました」
店は、母親の照代さんとの共同経営で、照代さんが喫茶部を受け持ち、米原さんがフラワーショップと接客を受け持つ予定だ。
「高校でつまずいた時からずっと、母は僕を批判をすることなく、応援し続けてくれました。今までは恩をアダで返してきたので(笑)、ここらで巻き返し。真剣に恩返ししていきたいですね」
店は大和町から数分の稲沢市次郎丸にある住宅街に建設中だ。20席ほどのこじんまりした空間だが、緑と花がいっぱいのさわやかな雰囲気を演出していきたいという。
「僕は、どちらかというと淡い色の花が好きなので、パステル調の花をたくさん置いて、葉っぱ系の植物も多種類仕入れるつもりです」
住宅街というロケーションを考え、近所の人も気軽に来てもらえるように、喫茶部ではモーニングセットを充実していきたい考えだ。
「僕自身、花にかかわるようになってから、自然がとても身近になって、季節の移り変わりにも敏感になりました。自然の中にある色や匂い、光などを感じられると、豊かな気持ちになれますよね。そんな気持ちをより多くの人と分かち合えたらいいなと思っています」
ゆくゆくは、フラワーデザインの教室もオープンし、花つながりのネットワークを広げたいという米原さん。今、一番気に入っている花、グラジオラスのように、まっすぐ、力強く、花の仕事にまい進していくつもりだ。