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| チェリーは、さくらんぼ。ボンボンは名古屋市内にあるしにせのケーキ屋さんの名前からとった。両方とも伊藤さんが大好きなモノだ |
バンド演奏などのライブを見ることが好きだった伊藤さん。この楽しさを少しでも多くの人たちに味わってもらいたいという気持ちから音楽企画グループ「チェリーボンボン」を結成。活動を続けるうちに、次第に仲間も集まってきた。
約4年前、一宮市内にあったレストランでライブ演奏を見たのが始まり。それまでコンサートホールなどでの音楽鑑賞しか知らなかった伊藤さんは、その楽しさのとりこになった。
「生の演奏を、すぐ近くで見る楽しさ。たとえばギターを弾くときの弦がこすれる音なんかもクリアに聞こえるし、プレイヤーの息遣いもはっきりと聞こえる。ああ、これがライブの魅力なんだなと思いました」
こうして、ライブを聞きに行くようになった伊藤さん。出かけた先々でいろいろな知り合いができ、また多数のミュージシャンとも親しくなった伊藤さんは、2年前、ごく自然に音楽企画グループ「チェリーボンボン」を立ち上げることになった。
「音楽が好きという仲間が集まったんですが、その中には音響関係に詳しい人、パソコン通の人、イラストやデザインが得意な人、金庫番的な仕事が得意な人など、実にさまざまな個性や能力を持つ人たちが集まってきました」
メンバーの職業や年齢もいろいろ。会社員、自営業、主婦など、メンバー8名でのスタートとなった。その記念すべきライブ第1回目の会場となったのが、伊藤さんの住まいのすぐ近くにあり、また本紙19号の「味のある店」でも紹介した音食家(おんしょくや)「おんさ」である。
「第1回目は、湯川トーベンさんというミュージシャンが決定していたんですが、場所が未定だった。偶然「おんさ」の前を通りかかって店に入ってみたら、広いし、あ、ここならいいなとひらめいたんです」
以来、「おんさ」では月1回のペースでチェリーボンボン・プレゼンツによるライブが続いている。「おんさ」での月イチの活動を継続しながら、今年の春、初の野外ライブ企画に取り組んだチェリーボンボン。5月に行われた「第4回・杜の宮市」では、宮前38広場ステージを午前10時から午後5時まで、12のバンドや個人による演奏で構成した。
「初めての野外だったんですが、少ない予算の中からスピーカなんかも買い足して、なんとか無事に終わらせることができました。音楽を楽しむことはもちろんですが、みんなの力が、こういうカタチで発揮できることに大きな手ごたえを感じました」
伊藤さんたちの活動は、自発性にもとづいている。つまりはメンバーの一人ひとりが自分の意思や考えで、自発的に参加することが基本。決して利益を追求するグループではない。
「私たちのやっていることは仕事でもなんでもなく、なるべくお金をかけないで、みんなで楽しもうということなんです。だから、各企画ではつねに『1円の黒字をめざす』と言ってるんですよ」
音楽企画や制作でお金もうけをするのではなく、かといって赤字にもならないように、みんなの持っている時間や力、それに機材などを出し合って楽しい時間を共有しようというもの。それが『1円の黒字をめざす』という言葉に凝縮されるのだという。
こうしたチェリーボンボンの活動は一宮市だけではない。メンバーの知人が愛媛県にいたことから、そこでのライブを企画。愛媛県北条市の保育園、同市ホールでの出前ライブを敢行。約250名の観客を集めた。
そんな意欲的な活動が目立つ伊藤さん。音楽企画以外では、日本赤十字社で資格を取得した応急手当の指導員という一風変わった肩書きも持つ。
「さまざまな場所へ出かけていって、人工呼吸の方法や危険回避のノウハウなんかを指導するんですが、やはり緊急時に私たちができることは限られています。いつも言っているんですが、自分に何ができるかを考え、“できることをやる”。これは音楽企画も一緒。自分で歩くっていう言葉が大好きなんです」
アジア、ヨーロッパなど世界各地へ旅行した経験もあるという伊藤さん。もうずいぶんと前から自分で歩くことを始め、今も自分のペースで歩いている様子だ。