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| すりガラスで中は見えないので、やや入りにくい感もあるが、店内は、総菜や定食、めん類を楽しむ人でにぎわっている |
今回紹介する「旭美屋(あさみや)」は、いわゆる「めし屋」といわれるような、昔ながらの食堂だ。岩田總一さんと妻の美代子さんが38年前に開いたが、今では娘さんの明子さんと脱サラした明子さんの夫の照男さんも加わって、家族そろって店を切り盛りしている。
「昔、母は信州に住んでいたことがあり、近くの食堂の手伝いをして、そこでお総菜の作り方を習ったそうです。今も調理場は母が仕切っています」と語る明子さんは、美代子さんの片腕として、朝早くから仕込みを始め、何10種類ものお総菜を次々と作っていく。
「家族で経営しているお店ですし、総菜中心ですから、やはり昔ながらの味というか、家庭的な味が出せればいいなと思ってやっています。それと両親からいつも言われていることは、お客さんの立場に立ったサービスを心がけること。これは小さいころからたたき込まれています」
例えば、お客さんがお年寄りだったら、なるべく薄味にする。肉体労働のお客さんだったら、濃いめの味付けにするなど、細かい配慮は常にしているという。
「ほとんどのお客さんが常連さんなので、それぞれの好みもわかっていますし、お互いに気軽に話せるので、その辺はやりやすいですね。普通に家で食べるような感覚で来ていただくことが一番うれしいですし、『ここに来るとくつろげる』と言っていただけると、がんばって作ってきたかいがありますね」
実は「いーち」編集者も、同店の隠れファン。いつもかゆいところに手が届くサービスと心のこもった味に感心することしきりであったので、今回取材させてもらったのだ。
38年前のオープン当時から使っているという風情のあるガラスの戸棚には、各種煮物、おひたし、魚フライ、とんかつ、天ぷらなどの揚げ物がズラリと並んでいる。値段は煮物など野菜系が百八十円、魚や揚げ物系が220円だ。
また、かけうどん(300円)やカレーうどん(350円)、天ぷらうどん(400円)などお値打ちなめん類、から揚げ定食(700円)、みそかつ定食(800円)などの定食物も多種類ある。
そして同店自慢のメニューは、なんといってもラーメン(350円)である。とりがらやトンコツのだしでじっくりとったスープと手作りチャーシューが、コクのある味を出している。
「値段をなるべく安く抑えるために、それほど高級な素材は使えませんが、その分、手間ひまをかけて、おいしさを引き出すようにしています」
ラーメンのほかに、天丼(550円)も明子さんおすすめの一品。天ぷらを卵でとじたボリュームたっぷりの天丼は、大人にも子どもにも人気だそうだ。
總一さん、美代子さんの代から来ているお客さんは、明子さんの子ども時代を知っているので、現在の明子さんを見て「大きくなったねぇ」と感心するそうだ。また明子さんも小さな時から知っている子が大人になり、自分の子どもを連れて来てくれると「あんなに小さかった子が、こんなに立派になって」と感無量になるという。
お店が家族ぐるみなら、お客さんも家族ぐるみという、なんともアットホームな雰囲気の店である。学校が休みの日には、明子さんの娘さんたちも手伝っているという。
さて、そんな和やかな同店だが、夫の照夫さんが参加するようになってからは、出前や弁当の注文も積極的に引き受けている。
「昼はご来店のお客さんが多いですが、夜は出前が多いですね。また会社の昼休みにランチをお届けしたり、法事やイベントなどのお弁当もご予算に応じて承りますので、お気軽にご相談ください」とは、出前担当の照男さんの弁。
手作りの総菜や弁当がずらりとそろった旭美屋で、心も体もホッとする食事はいかがだろう。