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味のある店2004年4月号・23号 - 人を訪ねる
尾州グリーンマップ代表 宇佐美光彦 さん
一宮市出身で、現在、一宮市職員も務める宇佐美さん。
一宮市出身で、現在、一宮市職員も務める宇佐美さん。
TEL 090-2348-0046
http://www.bishu.org

そこに人がいる限り
グリーンマップ作りは
ずっと続く活動です

 「グリーンマップ」という言葉をご存じだろうか? 市民やNPOによる自主的な活動を中心に展開し、現在では世界中で約40カ国、220以上の地域で作られているという世界的規模のプロジェクトである。これに呼応して、一宮市、尾西市、木曽川町の「尾州グリーンマップ」作りに取り組んでいるグループがある。その代表である宇佐美光彦さんを訪ねた。

グリーンマップとは?

 「簡単に言ってしまうと、身近な環境を観察、記録して地図を作る活動…ということになりますかね。1992年にニューヨークの環境デザイナーでウエンディ・ブラウアーさんという女性が提唱したもので、ユニークなのは世界中で共通の絵文字を地図上に入れ、だれが見ても一目でわかるようにしようというものなんです」
 グリーンマップが単なる地図と異なるのは、“グリーン”の言葉にある。つまりは、公園や森林などの緑に代表される自然環境はもちろんのこと、史跡や文化財などの文化関連、さらにはゴミの不法投棄などの環境汚染源にいたるまで、多様な要素をすべて地図上にアイコンで表す。そうした活動を展開することで、そこに住む人々が自ら生活するエリアを見直し、同時にグリーンの言葉にふさわしい環境意識をはぐくんでいこうというものである。
 「この活動は、自然保護、環境教育だけでなく、住みやすいまちづくりやエコツーリズムなどさまざまなテーマに対応できます。というのも、環境や福祉、教育など、私たちのまわりにはさまざまな市民グループがありますよね。私自身、まちづくりグループに参加して感じていたのは、それぞれのグループが独自に活動していて、そこに横のつながりが少ないということ。もう少し横のネットワークを築けないかと考えていたときに、このグリーンマップに出合ったんです」

より多くの参加者で

 グリーンマップを、市民グループ相互の連携のためのツールと位置付け活動を開始した宇佐美さん。ちょうどそのころ、自らが一宮市職員であることから、愛知万博の県パビリオン「県民参加プログラム」に参加。テーマの一つに「愛知グリーンマップ2005」があり、マップ作りのためのさまざまなノウハウを知るところとなった。
 「どこから手をつけようかと思っていたら、愛知万博に関連して県内のグリーンマップ作りを進めていることを知り、それならということで名乗りを上げたんです。メンバーは18歳から60歳代まで。設計士、主婦、高校生や市の職員に職業不明の人まで、実にバラエティに富んでいます」
 市内のボーイスカウトたちと協力して作り上げた「真清田キッズマップ」もなかなかにユニークだ。これは昨年5月の市民イベント『杜の宮市』に行われたもので、真清田神社周辺を子どもたち自身でまわり、彼らの視点で見たまま感じたままを掲載して作り上げたグリーンマップである。
 神社内のすもう土俵に、「伝統的生活地域」アイコンが付いているなど、大人たちの視点では考えられないようなユニークなアイコン選びもあったが、あえてそのままを尾州クリーンマップ上で公開。自分たちのまちを自分たちの五感で見直すという点では、大いに成果があったと言う。

まちづくりへの思い

 こうして少しずつ尾州グリーンマップの充実を図る宇佐美さんだが、その動機をこう語る。
 「今の社会は、昔ながらの近所づきあいなども減って、みんなが孤立しながら生きている感じがする。私自身も仕事をして家に帰る。帰ったあとはもう家から出ない。当然、地域の結びつきも生まれませんよね。このままだと自分たちのまちがどんどん衰退していく。もっと近所の人たちと一緒になって、話し合ったり楽しんだりできるような場が欲しい。そのためには、まちがもっと元気にならなければと思っているんです」。
 始めにまちづくりへの熱い思いがあり、それに近づく一つの手段としてのグリーンマップ作りというのが、宇佐美さんのスタンスだ。
 今後の活動予定についても聞いてみた。
 「4月25日の「やろまい」と5月2日の「杜の宮市」などで、これまでの活動の紹介や参加者募集を行いたいと思っています。また旧美濃路の起宿(おこしじゅく)なんかも訪ねて、マップ上に反映させていきたいと考えています」
 現在のところ、尾州グリーンマップはホームページ上での公開のみ。これは対象となるまちそのものがつねに変化しているため、たとえば印刷物などを作っても、こうした変化に対応できずムダになる可能性があるということでの選択だ。
 「その意味ではグリーンマップ作りは永遠に終わらない活動だと思っています。これからのマップ作りがどういうつながりを生み出してくれるのか。また私たちの作ったものを、次を担う人たちがどう変えていくのか。いろいろ期待しているんですよ」

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