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味のある店2003年12月号・19号 - 人を訪ねる
ボトルシップ協会会員 竹内栄照 さん
ボトルシップはやりがいがいっぱい。作品作りと子ども教室で、竹内さんの毎日は多忙だ
ボトルシップはやりがいがいっぱい。作品作りと子ども教室で、竹内さんの毎日は多忙だ
(木曽川町)

作品作りが楽しくて
毎日があっという間に過ぎていくよ

14種類の職種を経験したことが生かされている

 ボトルシップという言葉をご存じだろうか。ウィスキーの瓶の中に船が入っている置き物と言えば、「ああ、見たことある」と納得される方も多いのではないだろうか。
 今回紹介する竹内栄照さんは、そのボトルシップを作り始めて17年。作った作品は576個。とにかく、すごい仕事量である。
 「細かい手仕事が昔から大好きでね。定年までに就いた仕事は14種類。すべて細かいことを要求される仕事でしたね。飛行機のエンジンの精密部品を作ったり、精密工具を作っていた時代もあった。建築関係もやったわね。事情があっていろいろ職場を変えたけど、それも今のボトルシップ作りに全部役立っているから、結果オーライだね」と、にこにこ顔で語る竹内さんは、今年77歳とは思えない身のこなしだ。
 「目も全然悪くない。ボトルシップは細かい作業だから、目がいいことはとても有利。仲間にもうらやましがられています」
 普通の人なら、一つの作品を完成させるのに150時間かかるところを竹内さんは100時間で作ってしまう。ボトルシップ作りは、竹内さんにとって、まさに天職、いや天趣味といったところなのだ。

海外との交流も盛ん

 ボトルシップとはそもそもどこでどんなふうに始まったのか。
 「よく言われるのは、船乗りたちが長い航海の退屈しのぎに始めたという説だね。歴史は200年くらいと言われています」
 日本でも全国に協会があるが、竹内さんは中でも最も歴史のある大阪の「日本ボトルシップ協会」に所属しており、ベテランとして仲間から親しまれている。
 また協会ぐるみで海外との交流もあり、竹内さんの作品がオランダの愛好家グループの機関誌に紹介されたこともあるという。
 「日本と西洋では、作り方が違うのね。日本は船のへさきが瓶の奥になるように作るけど、海外では逆。それで外国の愛好家たちも興味を持ってくれるんじゃないかな」
 今までに作った作品の中には日本丸や朱印船などの和船もあれば、ガレオン船などの洋船もある。また入れ物はウィスキー瓶に限らず、5,000ワットの巨大電球の中に6隻の船を入れ、モーターで回転式にした大作から目薬の空瓶までさまざまだ。
 「目薬や香水の瓶は口が狭いから、かえって難しいんだよ」
 なるほど、この小さな口から道具を使って船の部品を入れ、組み立てていく作業は、考えただけでが気が遠くなるほどだ。
 「ゼロコンマ3ミリの世界だからね、確かに細かい作業だわね」と楽しそうに語る竹内さん。新しい作品を作るたびにその船の時代背景や構造を図書館で調べるので「歴史や物の成り立ちにも詳しくなれる」という。

子どもたちにも指導

 「材料はね、瓶、薄い木の板やかんなくずなどがあればできるんだけど、このごろは無柄のウィスキー瓶が少なくなっているし、薄い木の板もめったに手に入らないんで、調達するのに四苦八苦してるよ」
 幸い近所に仏壇屋があって、そこから材料を分けてもらっているし、瓶問屋にも知り合いがいるので、今のところなんとかつないでいるそうである。
 製作に没頭し始めると、時間がいくらあっても足りないというが、独自に調達した材料と自前で作った専用の道具を使って、せっせとキットづくりもしている。
 「2つの小学校で、ボトルシップを教え始めたからね。子どもたちは限られた時間内で作らなきゃならないから、キットを作っておかないと間に合わないんだよ」
 忙しい中で、子どもたちのために時間を割いているのは、作品を完成させた時のうれしそうな顔を見るのが楽しみだから。
 「ボトルシップのほかにも建築模型やモビール作りも私の趣味。とにかく、細かい手作業が性に合ってるんだろうね。忙しいけど毎日が充実してるよ」
 竹内さんの細密な作品は、だれが見ても感嘆の声を上げざるを得ない出来栄え。全作品の3分の2は、人にあげるか、公共の施設や銀行などに展示されているそうだ。

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