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味のある店2003年9月号・16号 - 人を訪ねる
創作人形作家 三井朱實(あけみ) さん
「創作人形の作り方はなんでもあり。楽しみながら創造していきましょう」と三井さん
「創作人形の作り方はなんでもあり。楽しみながら創造していきましょう」と三井さん
愛知県中島郡平和町
大字平池字郷付197-2
Tel 0567-46-2522

人形作りは究極の手仕事。やればやるほど興味がわいてきます

カフェとギャラリーもオープン

 人形作りを楽しみながら教えている女性がいると聞いて、さっそく訪ねてみた。
 「ギャラリー・赤い実」という木の看板、イングリッシュガーデンをほうふつとさせるよく手入れされた前庭、玄関には「本日のおすすめケーキセット」のボードが立てられ、まるでおしゃれな喫茶店のようだ。
 「そうなんです。いろいろな方たちに来ていただけるスペースにしようと、夫とも話し合い、去年ギャラリーとカフェをオープンしました」と語るのは、ギャラリー&カフェ「赤い実」のオーナーであり、創作人形作家の三井朱實さんだ。
 「カフェとギャラリーの営業日は、木、金、土、日。毎週水曜日と月一度の日、月、火曜日を教室の日にしています。教室に通ってくる生徒さんには、カフェでランチも楽しんでいただいています」
 ギャラリーには、三井さんが製作したさまざまな人形たちや古布で作った和テイストの小物が、美しく並んでいる。
 またカフェには、イギリスから直輸入したアンティーク家具やステンドグラスが置かれ、おしゃれな雰囲気をかもし出している。
 「コーヒーや紅茶をお出しするカップも全部アンティークなんですよ。人形が売れるたびに、一つずつ、こつこつ買い足していつの間にか、こんなに集まりました(笑)」
 ガーデニングとコーヒーをいれるのは夫が、ケーキセットのケーキを焼くのは長女がそれぞれ担当し、ファミリーで心地のいい空間づくりに努めているそうだ。

自由に作れるところが魅力

 さて、本職の人形作りだが、本格的に教え始めてすでに10年以上たつという。
 「子どものころから手芸が大好きで、結婚後も子育てしながら、刺しゅうやアップリケ、フラワーアレンジメントなど、いろんな教室に通っていたんです。そんなころ偶然、街で見かけたお人形に魅せられたというか、 あ、これだ ってひらめいたんですね」
 そのころはまだ創作人形というジャンルは珍しかったが、手先を使う作業のすべての要素が入っているところが、三井さんの心をとらえた。以後、創作人形作家の草分け的存在である住田都、水澄美恵子両氏に師事し、三井さんなりの創作スタイルを確立していった。
 「人形作りってのは、製図に始まって、型をとる作業から衣装のデザイン、制作、髪作り、染色、帽子作りなど、それまで私が習った技術をすべて生かせる、究極の手仕事だったんですね。だから魅せられたんじゃないかと、今にして思いますね」
 また、伝統人形と違い、なんの制約もなく自由に作れるところも、三井さんにとっては大きな魅力となっているようだ。
 「手足を自由に動かせる球体関節人形や正座のできる三折れ人形、木の削りかすのパッキンを詰めて作る固定ポーズなど、製法はいろいろありますが、自由な発想で作っていけるところが楽しいですね」

世界でたった一つの作品作りのお手伝い

 自身がうさぎ年だということもあり、三井さんの作品にはうさぎの人形が多いという。
 また和洋を問わずどちらも作るが、最近では江戸ちりめんを使った女の子の人形を多く手がけ、「三井作品といえば、江戸人形」という定評もあるほどだ。
 「30名ほどの生徒さんに教えていますが、本当に面白いことに、どなたが作っても、作品は作者に似るんですよ。生まれた時からなじんでいる顔や体だから、手も知っていて、そのように作っていくんでしょうね」
 世界にたった一つしかないオリジナル作品を大切にしてほしいと考える三井さんは、手本などあまり示さず、一人一人の持ち味を生かした人形作りを指導している。
 「それともう一つ。江戸ちりめんなどの古布は値段も高く、貴重なものです。着物を着古した後は、長じゅばん、鏡のカバー、座ぶとんとしてリユースしていた昔の人を見習って、私たちもなるべくムダをなくして、有効に材料を使っていきたいですね」
 「赤い実」には、三井さんの人柄と人形づくりに魅せられた人たちが、今日も大勢集ってくる。

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