![]() |
|
| お持ち帰りの人は外からも注文できる。近所なら配達もOK! |
奥町中学の西側に、小さなお好み焼き屋さんがオープンした。お店の中でも食べられるが、持ち帰りもできる便利な店だ。近所の子どもたちはもちろん、大人たちにも郷愁を感じさせる昔ながらの雰囲気がうれしい。
「この店をオープンしたのは3月1日だから、まだ本当に生まれたてのほやほや。よちよち歩きの状態だね」と語るのは店主の岩田伸彦さん。繊維関係の企業に15年勤めた後、脱サラし、妻の広美さんとともにこの店をスタートさせた。
「おやじとおふくろが一宮競輪場の近くで30年間、お好み焼き屋をやっているからね。ぼくもいずれはおやじたちのように店を開きたいとずっと思ってきました」
お父さん直伝のお好み焼きと焼きそば、そしてタコ焼きは、いたってシンプルなレシピだそうだ。
「タネは小麦粉と水が基本。もちろん隠し味も入れているけれど、それは企業秘密だから内緒(笑)。でもとにかく、粉と水の加減がおいしさの決め手なんですよ」
粉と水は分量どおり入れても、毎回微妙に仕上がりが違うそうだ。
「その日の温度や天気にも左右されるからね、お好み焼きなんて、簡単そうに見えるでしょ。でもね、シンプルだからこそ、奥が深いんだよね。わからなくなるとその都度おやじに電話して聞くんだけど、分量を計るんじゃなくて、自分の勘を養えって、怒られっぱなしです」と笑う。
たまたま手伝いに来ていた母親のみち子さんも「親子だから言いたいこと言ってますよ。でもそうやって自然に覚えていけばいいと思ってるの」と息子夫婦を応援する。
「ウチの特徴は昔ながらの味。ネギをたっぷり入れた『ネギお好み』なんかは、みなさん『懐かしい味だね』って喜んでくれます」と伸彦さんは、お客さんの評価を素直に喜ぶ。
「具もシンプルにして、お値打ちに提供しています。でも肉は国産しか使わないし、タコも北海ダコだけを仕入れています。やはりおいしいと思ってもらわないと、いくら安くてもリピーターにはなっていただけませんからね」
取材班もネギお好み、タコ焼き、肉入り焼きそばなどを試食してみたが、嫌みのないあっさりした味なのに、もっちりした食感があって、おいしかった。
「特製ソースが効いてるでしょ。これもおやじオリジナルなんですよ。このソースにずいぶんと助けられてる部分もあるかな」
確かにコクと甘味のあるソースをかけていただくと、おいしさが増すような気がした。
ちなみにお好み焼きの値段は、ネギ玉、肉玉、イカ玉ともに350円、ミックスが400円、ネギミックスが450円。焼きそばも同様の値段だ。タコ焼きは、5個入り200円、8個入り300円、特タコ8個入り400円だ。
「子どもたちが気軽に来てくれるような店にしていきたいからね、なるべく値段は抑えています。ぼくらが子どもだったころ、こういう子どものたまり場みたいな店って必ず町内に一軒あったでしょ。
そこに行けばホッとできるし、仲間と楽しい時間が過ごせる。そんな場所として利用してもらえたらうれしいな」
広美さんも、店の切り盛りは初めての経験で慣れないことも多いが、子どもたちとのコミュニケーションは楽しいという。
「この春も、『高校合格したら、タコ焼きおごってあげるねー』なんて軽く約束したら、その子、『受かったよー』って、友達引き連れてきちゃって」と笑う。
アットホームな雰囲気の中に少しだけエスニックなテイストも漂う同店だが、実はこの店の設計から内装まで、すべて伸彦さんの友人たちが引き受けてくれたそうだ。
「高校時代の野球部の仲間がやってくれたんですわ。今でもきょうだいのようにつきあえる友だちのありがたさを今の子たちにも知ってほしいね」
よその子でも悪いことしたらしかる。いいことしたらほめてあげる。そんな お好み焼き屋のおっちゃんとおばちゃん を目指す伸彦さんと広美さん。一生懸命鉄板の前に向かう日々である。