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| 元気いっぱい、いつも笑顔の松久さん |
肉や魚など、動物性の食材を使わない料理「マクロビオティック」という言葉を、最近よく耳にする。マクロとは「大きい」、「ビオ」とは生命、ティックとは「術・学」という意味があるので、直訳すれば「大きく生きるための技術」ということだろうか。
穀物菜食の料理教室を開き、ヘルシー料理を紹介している元気な主婦、松久み吉ねさんに詳しく聞いてみた。
「あ、今ちょうどデザートを試食するところですから、ご一緒にどうぞ」と、笑顔で迎えてくれた松久さん。木曽川町の公民館で、デザート教室を開いているところを取材させてもらった。
「マクロビオティックに出合ったのは、上の子がおなかにいる時でしたので、13、4年前になりますね」と語る松久さんは、もともと虚弱体質で、周囲からも「赤ちゃんは産めないのでは」と心配されていたそうだ。
「つわりがひどくて起きていられない状態が続いたのですが、卵や乳製品、化学物質を体に入れなければ、不思議とおさまっていくんですね」
松久さん自身も、おなかの中の子も、穀物や野菜をとれば「心身ともに十分満たされる」ということを実感したという。
そんなことがきっかけで、無農薬野菜の共同購入グループにも参加するようになり、マクロビオティックという考え方にも出合った。
「マクロを研究している先生のところに、週に一度のペースで通い、学んでいくうちに、どんどん元気になっていきました」
虚弱体質だったはずの松久さんが、3人の子どもを産み、育て、今や料理教室の先生としても活躍。「食生活で人はこんなにも変わる」という見本のような人である。
「本当にそのとおりで、体質はもちろん、人間関係も変わりました。今だから言えますが、私、以前は人の話に耳を傾けてなかったんじゃないかな」
食生活が変わったことで、家族との関係も、友人との関係もおだやかになったと松久さんは言う。
「マクロビオティックを勉強していくと、自然と調和することの心地よさを実感するんです。自分自身を心地いい状態にしていくと、周りの人たちにも伝わるみたい」
現在、松久さんは、自宅や、地域の公共施設などを利用した料理教室を開いているが、その延長で「子ども料理教室」も手掛けるようになった。
「食は生活の基本です。ただ体にいいものを教えるだけでなく、野菜や穀物本来の味を伝えつつ、一人ひとりが、それぞれのスタイルで工夫して食べるということを、子どもたちと学びあっていきたい」
教師のキャリアも持つ松久さんは、子どもの「食育」もライフワークの一つにしたいと考えている。
「子どもは、舌も敏感ですし、感覚も鋭い。自然の持つおいしさ、豊かさをよく知っていて、私が教えられることも多いですね」
マクロを始めたころは、「野菜や穀物を使って、いかに肉や魚の味や食感に近づけるか」という「もどき料理」を作ることに、喜びを見い出してきたが、今は「素材そのものの特徴を生かしたストレートな料理法」に変わってきたそうだ。
取材した日のデザートメニューは「かしわもち」と「モモのタルト」だった。
記者も試食したが、どちらも、砂糖は一切入っていないにもかかわらず、ほんのり甘い。
「かしわもちのあんには、アズキとカボチャが入っています。モモのタルトにもカボチャとワイン漬けレーズンが入ってるから、それが甘さを引き出しているんですね」
それぞれの素材が生かされて、よくかみしめていると、ジワーッとおいしさがこみ上げてくる。
その日居合わせた生徒さんが、「松久先生自体も、つき合えばつき合うほど、ジワーッと良さがこみ上げてくる人です。教室には長く通っていますが、どんどんレベルアップしていて、先生自身の成長が料理に全部出てきて面白いですね」と、そっと教えてくれた。
「今後は、お母さんたちだけでなく、お父さんやお年寄り、子どもたちも参加し、それぞれの個性や能力を生かした『地域コミュニティ』をつくっていきたいと考えています」と将来の夢を熱く語る。
具体的には、レストラン、デーサービス、お弁当屋さんなどを地域ぐるみで運営していけたらと、場所探しから始めているそうだ。
「人生をエンジョイし、みんなが幸せを感じられる社会を目指していきたいですね」
マクロビオティックで学んだことを多方面に生かしていきたいという意欲的な松久さん。元気な語り口調には、エネルギーが満ちあふれていた。