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味のある店 2002年7月号・2号 - 味のある店
オートバイ製作「アオゾラ」
「P-chopper003」と名づけられたオリジナル作品
「P-chopper003」と名づけられたオリジナル作品
愛知県一宮市北方町下本郷1-107
Tel&Fax 0586-87-1083
http://www.aozolla.com

オートバイをアートの視点で捉え、“世界でたった1台”をつくっています

 「味のある店」は、何も食べ物だけに限ったことではあ〜りません。ほう? と思うことや、へえ〜と感心するようなこと、そんな“味な”いろいろをやっているお店をレポートする、このコーナー。今回は北方町でユニークなオートバイ製作を手がけている工房をたずねた。

徹底した手づくりのアプローチ

 「今、うちでやってるのはオートバイを一からデザインして作ってしまうカスタムバイクの製作と、もう一つはレストアって言うんですが、古いオートバイを整備して、もう一度走れるようにする、主にこの二つです」と説明してくれる堀場準さんは、いかにもオートバイが好きそうな28歳の青年だ。
 「アオゾラ」ができたのが、1999年の7月。以来、全国の愛好家たちからの注文を受けながら、一つひとつ、まさに手づくりでオートバイを製作してきた。その徹底ぶりをレポートしよう。
 例えばオートバイのシート。既製品に飽き足らないユーザーの期待にこたえ、なんと鉄板の段階から製作をスタート。最適な厚みの鉄板を切り出して、ハンマーで打ち出し加工する。サンダー(表面仕上げを行う工具)などで仕上げたあと、さらにクッション材などを選定し、そのオートバイに適したデザイン・素材のシートを作りあげる。必要があれば溶接、メッキなどの加工も行う。こうしたアプローチを、例えばハンドルに、あるいは燃料タンクにマフラーに…といった具合に、まさに一台のオートバイのあらゆる部分に対して、こだわりながら作り上げていく。
 「ぼくたちはカスタムと呼んでいるんですが、こうしたやり方は日本ではまだまだ少ないですね。そこまでこだわる人が少ないというのもあるんでしょうが、アメリカやヨーロッパなどではカスタムバイクという文化が、しっかりと根付いていますから」
 とはいえ、日本でも愛好家たちの数は増え続けているらしい。毎年11月に横浜で開催される「クールブレーカー」というカスタムバイク専門のショーもその一つ。掲載した写真は、昨年のショーにアオゾラが出品した作品で、そのデザイン面を担当したのが、スタッフの一人である金山今日子さんだ。
 「オートバイを単なる道具として捉えるのではなく、一つの作品というレベルで考えて、もっとデザイン性を重視した製作ができないかなというのが私たちの考えです。スタイルだけでなく、カラーリングや一つひとつの部品のデザインに至るまで、自分たちの技術や創造力を生かして、本当の意味で 世界でたった一台 のオートバイをつくっていきたいんです」
 そんな堀場さんと金山さんが考案したアオゾラだけのオリジナル・ブランド、それが『P-chopper』だ。『P-chopper』のPは、ポップやプリティ、そして何よりもパーソナルな存在として受け入れられるオートバイを目指している。

技術とデザインそしてネットも活用

 堀場さんたちのオートバイ製作がユニークなのは、単に作品面だけではない。
 例えば現在、製作中の一台は秋田県に住むオーナーからの発注だ。この秋田県のオーナーとは東京で会って、まず製作するオートバイをどう使うのか?といったヒアリングからスタート。実際に公道を走るのか、あるいは店舗などの展示をメインにするのか。そういったさまざまな話し合いの上で、オートバイづくりのコンセプトを決めていく。
 「オーナーのし好や、その人自身の雰囲気も大切な要素です。もちろん予算面でもつっこんだ話し合いをして、先方の意見を聞きながら、こちらからも専門家としてのアドバイスを加え、一つひとつを詰めていって、つくり込んでいく。そうした作業が何よりの楽しみでもあるんです」
 カスタムバイクは、発注したらそれで終わりというわけではない。堀場さんたちは、工房での製作プロセスを随時デジカメなどで撮影し、オーナーに報告。それを見たオーナーから意見を聞き、また製作サイドから新たな提案もする。こうしたやり取りをしながらの製作期間は約2カ月。堀場さんの弁によれば、値段は本当にまちまち。100万円が高いと思う人もいれば、それだけ出してでも自分だけの1台に乗りたいと思う人もいるはず。要は価値観の問題ということなのであろう。
 「とにかく自分たちで自信の持てる作品を世に出していきたい。アートというと大げさかもしれないけど、鑑賞するだけでなく、実際に乗って走れるアートづくりを手がけていきたいですね」と堀場さん。
 「一緒につくり上げていくスタッフの一人として、自分の個性や創造性を生かせたらと考えています。それをオートバイだけでなく、関連グッズなどにも広げていきたいです」と金山さん。
 名実ともに 世界でたった一台 にかける、スタッフの情熱が伝わってくる言葉だ。なお、アオゾラのアプローチについては、ホームページに詳しく掲載されているので、こちらもぜひご覧いただきたいと思う。

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